米兵による組合員(タクシー運転者)殺害で米日当局に厳重抗議

 横須賀で自交総連組合員の高橋さんが殺害された事件で、4月3日にようやく容疑者米兵が逮捕されました。自交総連は以下の通り厳重抗議を行いました。


在日米大使館(大統領)
米軍横須賀基地司令官
内 閣 総 理 大 臣
外 務 大 臣
 宛

米兵による組合員(タクシー運転者)殺害に厳重に抗議する

 神奈川県横須賀市で3月19日、自交総連東京地連安全自動車品川労組の組合員である高橋正昭さん(享年61歳)がタクシー車内で刺殺された事件について、アメリカ海軍横須賀基地内に拘束されていた同基地所属の米兵が4月3日、ようやく神奈川県警に逮捕された。
 自交総連は、我々の組合員である高橋さんを残酷非道な方法で殺害した容疑者の米兵を強い怒りをこめて糾弾するとともに、所属兵士に対して監督責任を果たさない在日米軍、その横暴を容認する日本政府に厳しく抗議するものである。

 この容疑者は、3月22日に米軍に身柄を拘束されたが、神奈川県警が初めて事情聴取を行ったのは4月2日になってからであった。10日間もの間、日本側は事情を聞くことすらできず、またそのことを強く申し入れもしなかったわけである。
 犯行を自供しているにもかかわらず、容疑者の身柄はすぐには引き渡されず、日本側が逮捕状を請求し、日米地位協定の運用改善合意に基づき、起訴前の身柄引き渡しを求めてようやく、米軍の「好意的考慮」によって3日に引き渡された。
 凶悪な犯罪の容疑者を目の前にして、日本側はすぐに事情も聞けず身柄も確保できないという事実は、日米安保条約と地位協定による米軍優位、不平等な扱いであり、高橋さんの無念をはらし、再発防止のためにも一刻も早い犯人逮捕を望んでいるご遺族、同僚組合員をはじめ関係者の気持ちを踏みにじるものである。それにも関わらず福田首相は、日米地位協定の見直しはせず、運用の改善にとどめるとしている。
 高橋さんはシートベルトをしたまま一刺しで首から肺にまで達する傷を負わされ惨殺された。何の落度もない無抵抗な運転者を後ろから襲う凶暴な犯行は、日常的に殺人訓練を行う軍隊の非人間的な教育と無関係とは思えない。イラクなどで現に戦闘行為を行っている軍隊の兵士が多数駐留していることの危険性を示している。

 自交総連は、容疑者米兵の日本側による厳正な捜査と処罰、高橋さんとご遺族への謝罪と補償、事件の再発防止を求めるとともに、米軍基地があるゆえに引き起こされる犯罪の根絶を願い、米軍優位の不平等な扱いの是正、米軍基地の縮小・撤去を求め、平和な日本をめざすことを表明するものである。

2008年4月4日
自 交 総 連



自 交 総 連