2009.3.6 自交総連情報タイトル

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 自交総連は3月4日、東京・入谷区民館根岸分館で第4回中央執行委員会をひらき、2009年春闘の当面する対策について検討し、以下の方針を決定しました。

2009年春闘の当面する対策について

1.重点課題に関わる対応方針

(1) すべての闘いを全労連春闘と結合させ、内需主導の経済への転換を

 ○ 日本経済は急速に悪化し、欧米を上回る深刻な落ち込みを見せている。昨年10−12月のGDP(国内総生産)は年率換算で12.7%の大幅マイナスとなった。この間の「構造改革」路線が、内需・家計をないがしろに、日本の経済を極端な外需頼みの構造にしてきたことによる影響は日々、甚大なものとなっており、自動車やデジタル家電等の輸出が激減し、設備投資、個人消費も低迷し、外需・内需とも総崩れの様相となっている。深刻な景気悪化は、企業の経営不振ばかりでなく、非正規労働者を中心に広がった雇用不安が家計の消費欲を奪いつつある。労働者・国民の苦境をよそに、くらしや内需回復の方策さえ示さない麻生内閣と大企業の社会的責任を追及する闘いの強化が極めて重要である。
 ○ タクシーの状況は、東京(特別区・武三地区)においてさえ、実働1日1車当たりの運送収入(09年1月、原価計算対象事業者)は4万1179円で、前年同月比12.3%減となり、運賃改定以来14か月連続の前年割れを記録している。消費税分を差し引くと実質運送収入は4万円を割り込み、実車率も3.1ポイントダウンの39.0%など、タクシー需要は、景気低迷を受けて一段と落ち込み、経営環境と賃金・労働条件への影響は、まったく予測のつかない最悪の事態に陥っている。09春闘では、企業内あるいは同業種の枠内での闘いに止まっていたのでは、要求闘争前進の展望を見出すことはできない。自交春闘の闘いの推進とともに、経済悪化に歯止めをかけ、貧困・生活危機突破、内需主導の経済に踏み出すことを求めてたたかう全労連春闘との結合が不可欠である。

(2) 自らの力と共同、運動の推進によって実効ある減車制度の確立を

 ○ 09春闘では、“安心・安全、誇りと働きがい、地域貢献”という公共交通機関の根幹をなす課題達成において、タクシー運転者の質の確保と、それを担保する雇用の安定と労働条件の確実な改善が求められている。この問題は、観光バスにも共通するものであり、公共的性格を有する教育機関としての指定教習所でも、その社会的役割の発揮において極めて重要である。このため、09春闘では、雇用・賃金破壊をもたらした“規制緩和政策からの根本的な転換”をめざしつつ、政府・行政の責任と「企業の社会的責任」(CSR)を追及するとりくみを結合し、要求闘争の前進をはかる。
 ○ 今通常国会に提出された「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案」(略称=タクシー事業の適正化・活性化特別措置法案)における減車制度の実効性確保が求められる。したがって、特定地域における協議会のあり方、地域計画と減車の取り扱い、特定事業計画の作成と減車の実効性などに係る政策的具体性をもって臨みつつ、自らの力と共同、運動の推進によって情勢を切り開く。
 ○ 運賃改定に伴う労働条件改善問題については、改定後における労働条件の確実な改善を指示した運輸局長名通達及び厚労省労働基準局長通達を活用し、引き続き、社会的公約の実行を迫るとともに、減車と上限運賃の確保、労働者への確実な還元=ノースライドプラス重点改善要求の獲得をめざす。

(3) 底上げ闘争の強化、実効ある行政指導の徹底追及を

 ○ 「最低賃金法違反の一掃、累進歩合制度の廃止を軸とする賃金の底上げ」及び「違法な日雇い・アルバイトの禁止、名義貸しの根絶」を重視する。その場合、職場内での改善闘争にのみ目を奪われるのではなく、地域全体の底上げをはかる“地域戦”として位置付けてとりくむ。
 ○ 景気悪化を理由とした賃下げ・リストラ攻撃に対しては、平成20年12月9日付厚労省通達「経済情勢の悪化をふまえた適切な行政運営について」(基発第1209001号)における「解雇や雇止め、労働条件の切下げ等については、(中略)労働基準法に違反しない場合であっても、労働契約法や裁判事例等を踏まえ適切に取り扱われることが重要である」としていることを活用してたたかう。
 ○ 各地連(本)は、地域におけるタクシー労働者全体への啓蒙・宣伝活動を展開し、具体的な実態把握のもとに労働・運輸行政へ是正改善指導を求める。

(4) 減車推進、増車・運賃競争反対の闘いでは、産別視点での運動強化を

 ○ 賃金低下に歯止めをかけ、生活改善の賃金増をはかるために、@増車はやめろ!大幅減車で運収増をはかれ A値下げをするな!下げた運賃は元に戻せ、を重点課題とし経営者の責任ある対応を求める。
 ○ 一定地域における減車の数値目標について、各地連(本)は、実情に見合った減車台数を具体的に試算の上、その実現を迫る運動を追求する。なお、遊休車両については即時減車を要求し、経営効率化への経営責任を全うさせる。
 ○ 大量増車と運賃値下げ競争に関わっては、基本方針として確定している「3つの観点」=@適正な台数・運賃水準の確保は不可欠 A優先されるべきは安心・安全 B良貨が悪貨を駆逐するシステムこそ必要、をふまえ対応する。各地連(本)は、個別経営者はもとよりのこと地域全体の経営動向にも注意を払い、増車と運賃値下げ競争の弊害・不利益を主張、宣伝し、経営者自らが自粛・歯止めのとりくみに踏み出すよう積極的な役割を担う。
 ○ 雇用危機に便乗して大量雇用・増車を打ち出しているエムケイ、第一交通などの動きに対しては、その雇用の実態等を暴露し、労働局・ハローワークへの申し入れ、世論喚起にとりくむ。

(5) 迫り来る倒産、破産・廃業の危機を軽視せず、必要な体制強化を

 ○ 08年の秋以来、規制緩和後の競争激化に加え、燃料高騰やタクシー需要の激減等の影響による経営破綻が全国的に広がっている。新潟県では昨年10月、新潟相互タクシー・新潟タクシーの大手2社が、相次いで自己破産を地裁に申請し、労働者を全員解雇。長野県では、大手の長野観光自動車が産業廃棄物運送事業会社に営業権を譲渡し、沖縄では、第一交通グループがタクシー2社を買収(昨年10月末)している。今年に入って、大阪府では三和交通、インディアン交通、新進交通と、経営破綻、廃業、全員解雇が相次いでいる。自動車教習所では、昨年10月に経営破綻した八王子自動車教習所は09年1月、飛鳥交通グループへの営業権譲渡で基本合意に達したとされる。3月期決算の結果や今後の経済動向の行方によっては、タクシー、観光バス、自動車教習所においても、大都市、中小都市、郡部等を問わず倒産、廃業等の経営破綻がより現実化することが懸念される。あらためて、すべての職場における経営実態等の再点検と対策強化が重要となっている。

2.当面する統一行動及びとりくみの具体化

(1) すべての職場組織が要求を提出し、執念を持って獲得への追求を

 ○ “これ以上の状態悪化は許さない、みんなに賃上げを”の構えを基本に、賃上げと一職場一重点要求獲得の徹底追求をはかる。このため、各地連(本)は要求提出の意義を徹底し、未提出組合への援助・指導を引き続き強化する。
 ○ 回答指定日の設定は3月17日までとする。回答指定日に至る事前の対策として、各職場組織は経営者に対し要求内容に関わる説明の場を設けるよう努め、協力・共同の政策提言についても積極的な提起を行っていく。
 ○ 各職場組織は、回答指定日の翌日(3月18日=自交総連第2次統一行動)には時間内外の報告集会などをひらき、回答内容の説明、その評価と以後のとりくみ方針を報告し討議・確認を行う。また、組合旗のいっせい掲揚など創意工夫し、全組合参加の行動としての前進をはかる。

(2) 3・5中央行動で、“世論の喚起”と世直し春闘の前進を

 ○ タクシー労働者の労働条件改善、実効ある減車制度の実現を中心とする緊急要求と“貧困・生活危機突破、安心できる雇用と賃金を”など労働者・国民の共通課題を結合し全力をあげてとりくむ。この3・5中央行動は、自交総連第1次統一行動とし、タクシー400台、徒歩部隊1000人規模の闘いとして成功をめざす。
 ○ 中央行動では、@明治公園における自交総連中央決起集会の開催、タクシーパレードと徒歩部隊によるデモ行進、A交運共闘・国交省前共同請願行動、B独自課題にもとづく国交省、厚労省、警察庁交渉及び政党・議員要請行動を実施する。

(3) 第3次統一行動の設定と企業の社会的責任の追及

 ○ 全労連の統一行動日である4月22日を、自交総連第3次統一行動として位置付け、「春闘要求実現と企業の社会的責任を問う一日行動」として全国的なとりくみを展開する。闘争形態については、ストライキ、決起集会・デモなど要求闘争の進展状況に見合った具体的設定を各地連(本)毎に行うこととする。

(4) 倒産、廃業等への対策強化

 ○ 中央本部として、三役・専従役員メンバーを中心とするオルグ団を編成し、倒産、廃業等への全国的な対策強化をはかる。各地連(本)は、問題が発生した職場組織が、「職場だけの判断」で廃業、全員解雇、賃下げ「合理化」等への受け入れを行わないよう注意を喚起し、必ず産別に相談し、産別の判断で対応方針を確定の上、対処するよう意思統一していく。

(5) 悪政の打破、雇用・くらし・いのち・平和の安心をめざして

 ○ 「構造改革」で労働者・国民のくらしの基盤をぼろぼろに壊してきた自公政権の責任を追及していくとともに、経済悪化に歯止めをかけ、安定した雇用の確保、社会保障の充実、減税、地域経済の再生など内需主導の経済に踏み出すことを求め、国民的共同の諸行動に結集していく。また、「平和憲法を守ろう」の闘いを重視し、全労連、陸・海・空・港湾労組20団体の一員として各種の共同のとりくみに参加していく。
 ○ 全労連が提起している「緊急雇用闘争支援・ワンコインカンパ運動」については、組合員1人100円(任意カンパ)を目標にとりくむ。自交総連の集約は4月20日までとし、可能な限り各地連(本)での一括取り扱いを行った上で、中央本部へ送金することとする。納入されたカンパについては、その全額を全労連に納入する。

(6) 組織拡大月間で仲間を増やし、実勢3万人の目標達成を

 ○ 組織拡大月間は3〜5月に設定し「実勢3万人の回復」をはかる方向で臨む。各地連(本)は、この方向にもとづき具体化を行い、組織内未加入者への対話と加入呼びかけ、地域単位による宣伝、職場訪問などに集中してとりくむ。
 ○ 空白県対策やブロック内共同による組織化のための諸行動を強化する。重点対象地域である東北ブロックについては、本部専従役員の派遣措置を行い、4月15〜24日の行動日程で実施する。

以  上

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